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今生を猫として
みなみ
[ID:megalomania0]
生きるのはなんともつらすぎる、だから私は人生に飽きた。それはもう、嫌気がさすほどに。
彼女のそんな言葉にぎょっとした俺は、まさかまた死ぬとでも、大量の睡眠薬をビールで流し込もうとでもしてるのか、ティシューを口に詰め込み始めたのかと目を見開いて振り返った。
だがそれは杞憂で、彼女は両手の指を揃えてぴんと立て、耳の上あたりにくっつけると、にゃあとひとこえ鳴いた。
猫耳を模して、猫のまねだ。
だから私は猫になる。おまえの膝の上で、おまえの手に撫でられ、おまえの笑顔を見上げて生きるのだ。
おおばかもの。おまえのその手の冗談は笑えない。その程度のことは猫でなくとも、おまえなら大歓迎だ。いつだって膝を貸すし、頭も腹も乳房も尻も撫でてやろう。下心が入るのは許せ。そしておまえが笑うなら俺も笑うから。
しばらく黙ったかと思えば、ひとこと。
おまえはすけべだ。
猫でなくともよく鳴くくせに。
揶揄を返してやれば、彼女はぴんと立てた指の耳をくたりとまげ、にゃあ、と鳴いた。
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